研究・プロジェクト紹介

地区防災福祉コミュニティプロジェクト

 地区防災福祉コミュニティモデルの開発
地域看護学講座教員4名は、山口大学地域レジリエンス研究センター防災・減災グループの保健衛生部門メンバーに参加しています。当センターは、山口大学の多様な専門分野(工学・医学・保健学・理学・教育学・社会学など)の協同で持続可能な都市社会モデル「新・宇部方式」を提案することを目指しています。
私たちは工学・医学と共同し、地区防災福祉コミュニティプロジェクトに取り組んでいます。

 目的
地区在住の専門家・非専門家を含む人材資源の活用と住民協働による、日常と災害時をつなぐ地区防災福祉コミュニティモデルを開発する。

 概要
台風、豪雨、地震に感染症など災害多発の時代では、地域コミュニティの役割が大きくなります。
このプロジェクトでは、身近な地区に在住または勤務する看護職が、地区内で防災や福祉にかかわる多様な人々とネットワークを形成し、平常時から地区の防災減災及び福祉の取り組みを担う人材となることを目指す「まちの減災ナース」を育成します。「まちの減災ナース」育成のための研修を地区コミュニティの構成員と連携して行うことを通し、平常時からコミュニティメンバーが協働し防災減災や福祉の活動に取り組み、災害発生時においても人的被害や健康被害の抑止に貢献できる地区防災福祉コミュニティモデルの開発を目指します。

 プロジェクトメンバー
牛尾 裕子 (山口大学大学院医学系研究科 地域・老年看護学講座)
斎藤 美矢子 (山口大学大学院医学系研究科 地域・老年看護学講座)
網木 政江 (山口大学地域レジリエンス研究センター)   
緒方 彩乃 (山口大学大学院医学系研究科 地域・老年看護学講座)
村上 祐里香 (山口大学大学院医学系研究科 地域・老年看護学講座)
高橋 純子 (宇部市健康福祉部健康増進課)
榊原 弘之 (山口大学大学院創成科学研究科工学系学域)
鶴田 良介 (山口大学大学院医学系研究科救急・総合診療医学)

最新トピック
2024年3月16日 宇部市まちの減災ナース育成研修 修了生の集いを開催しました
 2022年度と2023年度の研修修了生7名と宇部市保健師2名が参加されました。
山口大学地域レジリエンス研究センター防災・減災グループの網木研究員からの「令和6年度能登半島地震支援活動報告」後、研修後の取組状況や課題を共有し、意見交換を通して今後の活動の進め方を考える機会となりました。
  2024年1月7日 防災福祉コミュニティプロジェクトを第12回日本公衆衛生看護学会学術集会(福岡県)で発表しました!
 演題名:地区防災福祉コミュニティ形成実装戦略の検討
-自主防災組織等との協働による「まちの減災ナース育成研修」のプロセス評価-

村上祐里香1), 牛尾裕子1),斎藤美矢子1),網木政江2),緒方彩乃1)
1)山口大学大学院医学系研究科保健学専攻,
2)山口大学地域レジリエンス研究センター

(助成:公益財団法人鹿島学術振興財団特定テーマ研究助成金)
  2023年12月16日 宇部市厚南・厚東地区まちの減災ナース育成研修(全3回)を開催
 11名の減災ナースが誕生しました。研修報告は、山口大学地域レジリエンス研究センター防災・減災グループのホームページに掲載されています。
こちら
をご覧ください。
防災福祉コミュニティプロジェクトをD&I科学研究会第9回学術集会(2023.7.1)で発表しました
発表スライド(一部抜粋)はこちらをご覧ください。
 Dissemination and Implementation Science(普及と実装科学、通称D&I科学)は、地域や医療現場のステークホルダーと協働しながら、エビデンスのある介入法を、効果的、効率的に日常の保健医療活動に取り入れる方法を開発、検証する学問領域です。

地区防災福祉コミュニティプロジェクトでは、校区単位で自主防災組織の方々と協力して「まちの減災ナース育成研修」を企画実施しこれをとおした防災福祉コミュニティ構築のモデル開発を目指しています。そのための研究方法として実装研究に取り組んでいます。今回は宇部市内のモデル校区での取り組みを実装研究のパイロットスタディとして報告しました。地域保健や公衆衛生を背景とする研究者・実践家、長寿医療やがん医療を研究する研究者など多彩な方々が参加しそれぞれの立場から実装研究の取り組みが報告され大変刺激的な学術集会でした。実装研究についてさらに知りたい方は以下のHPを参照してください。私たちは引き続き実装研究の手法でこのプロジェクトに取り組みます。

D&I科学研究会(RADISH)について
https://www.radish-japan.org/about/index.html
D&I科学研究会第9回学術集会
https://www.radish-japan.org/promoteResearch/academic/9thconf/index.html
2023年3月18日 まちの減災ナースの集いを開催しました
 宇部市藤山・鵜の島・新川地区まちの減災ナース育成研修の受講者11名(+代理1名)が参加され、研修終了後の各地区の活動について報告されました。その後、今後の活動の方向性について情報交換をしました。

宇部市藤山・鵜の島・新川地区まちの減災ナース育成研修の報告は、山口大学地域防災・減災センターのホームページに掲載されています。こちらをご覧ください。
活動状況はこちら
https://ds0n.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~cldpm/

へき地地域包括ケア人材プロジェクト

人口減少が著しいへき地の地域創生・地域活性化とサステイナブルな保健医療確保は、大学が所在する山口県の喫緊の課題のひとつです。地域看護学分野では、へき地保健医療、地域保健医療の未来を担う看護人材の育成・確保の一助となる取り組みを推進します。
「やまぐち地域医療セミナー」に本学看護学生の希望者が毎年10名程度参加しています。地域の暮らしを実感し、学生が早くから地域医療・地域保健に関心を抱く貴重な機会となっています。
令和4年度は、セミナー2021に参加した学生も含めた牛尾・緒方ゼミの4年生7名が、美祢市でフィールドワークとして卒業研究に取り組みました。また、「そのあとで」として報告会を開催しました。
学生は、セミナーで感じた地域の課題に対し研究として取り組むことで、地域についてより理解を深める機会となりました。
山口大学医学部・大学院のホームページにも掲載されました。こちらをご覧ください。
最新トピック
 
2024年11月2日 日本ルーラルナーシング学会第19回学術集会(山形県)で発表しました
2演題についてポスター発表し、有意義な意見交換ができました。

演題1:看護実践内容からみた地域に対するへき地診療所看護の役割機能
 ~Z県内のへき地診療所看護職へのインタビュー調査より~
〇牛尾裕子1),村上祐里香1),永田千鶴1),伊東美佐江1),  
  田戸朝美1),原田昌範2),寺﨑摩璃愛3),藤井翔夢4),髙原杏奈5)
1)山口大学大学院医学系研究科保健学専攻 2)山口県立総合医療センターへき地医療支援部 3)下関市保健所 4)大阪赤十字病院 5)倉敷市役所

 演題2:へき地診療所看護職に必要な教育内容及び教育支援体制
 ~Z県内のへき地診療所看護職及び医師へのインタビュー調査より~
〇村上祐里香1),牛尾裕子1),永田千鶴1),伊東美佐江1), 田戸朝美1),原田昌範2),寺﨑摩璃愛3),藤井翔夢4),髙原杏奈5)
1)山口大学大学院医学系研究科保健学専攻 2)山口県立総合医療センターへき地医療支援部 3)下関市保健所 4)大阪赤十字病院 5)倉敷市役所


助成:公益財団法人在宅医療助成 勇美記念財団
 
2024年7月4日 第68回山口県公衆衛生学会で発表しました!
2023年度牛尾研究室 寺﨑摩璃愛さんが卒業研究成果を発表され、第67回中国地区公衆衛生学会発表に選考されました。素晴らしい発表でした!
演題名:へき地診療所看護師の働き方と就労継続に繋がる活力・熱意
助成:公益財団法人在宅医療助成 勇美記念財団
山口大学医学部保健学科 寺﨑摩璃愛 1), 藤井翔夢 2), 髙原杏奈 3), 牛尾裕子 4), 村上祐里香 4), 永田千鶴4)
伊東美佐江 4) , 田戸朝美 4), 原田昌範 5)
   1)現 下関保健所保健医療政策課, 2)現 大阪赤十字病院, 3)現 倉敷市役所児島支所児島保健福祉センター,
   4)山口大学大学院医学系研究科保健学専攻, 5)山口県立総合医療センターへき地医療支援部
 
2024年2月16日 やまぐちへき地看護シンポジウムをハイブリッド形式で開催しました
へき地医療支援センター、へき地診療所医療関係者、県医療政策課、保健所や市保健師、看護協会会長、看護大学生、看護大学教員など35名の参加がありました。

「へき地診療所看護の魅力」をテーマとし、前半で、山口県内のへき地診療所看護職と医師対象のインタビュー調査結果を、山口大学医学部保健学科学生と教員から報告しました。後半では、報告への感想や意見などを参加者より受けながら、全体討議を行いました。

今回、改めてへき地看護の役割機能や魅力が言語化され、看護職人材確保にもつながるような教育支援体制構築の必要性を実感する機会となりました。
チラシはこちらをご覧ください。
後援:山口県立総合医療センターへき地医療支援センター、公益社団法人地域医療振興協会山口県支部
助成:公益財団法人在宅医療助成 勇美記念財団
2023年8月15日 公益財団法人在宅医療助成 勇美記念財団から助成金が交付されました! 
助成種類:一般公募「在宅医療推進のための研究」
助成期間:2023年8月~2025年9月30日
タイトル:へき地の地域包括ケアを担う看護人材育成・確保循環型システム構築に向けた現状調査
関連リンク:
やまぐち地域医療セミナー https://www.yamaguchi-mirainotane.com/

牛尾 研究プロジェクト
研究テーマ 「正解のない問題」に取り組むメタ認知に着目し公衆衛生看護の思考を深める対話法
文部科学省科学研究費 基盤研究(C)(課題番号22K11201)研究代表者
概要 先行き不透明で将来予測が困難なポストコロナの時代において保健師は、既存の解の当てはめでは解決しない「正解のない問題」に取り組む力が、より一層求められるようになります。

メタ認知とは自身の認知を異なる次元から俯瞰する認知で、自律的学習や熟達化の鍵であり、「対話」から導かれるとされています。看護実践能力の修得には、講義で学んだ知識・技術を、実際の事例や状況に適用する演習・実習教育が重要です。無数の変数で構成される事例や状況で学ぶ際、教員や実習指導者のフィードバック(対話)が重要となります。

私はこれまでの研究で、公衆衛生看護の学びを創りだす事例を用いた演習用教材の開発に取り組んできました。この研究では、教材を使って公衆衛生護の思考を深める学生と教員の間の対話の方法論を、メタ認知の概念をもとに探究します。
研究組織 研究代表者 牛尾裕子   山口大学大学院医学系研究科
分担研究者 斎藤美矢子  山口大学大学院医学系研究科
分担研究者 村上祐里香  山口大学大学院医学系研究科
分担研究者 田村須賀子  富山大学学術研究部医学系

・共同研究メンバー
緒方彩乃  山口大学大学院医学系研究科
嶋澤順子  東京慈恵会医科大学医学部
大澤真奈美 群馬県立県民健康科学大学看護学部
佐藤紀子  千葉県立保健医療大学健康科学部
城 諒子  富山大学学術研究部医学系
沖林洋平  山口大学教育学部
研究期間 2022年度から2024年度

関連リンク:
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-22K11201/
公衆衛生看護の思考を深める対話法

公衆衛生看護の思考を深める対話法はこちらから


最新トピック
実践報告掲載 日本災害看護学会誌25巻3号(2024年5月
2020年COVID-19流行第二波から第三波の時期に、COVID-19軽症者等宿泊療養施設の入所者に対し、当時の兵庫県内の看護系大学教員有志により遠隔看護相談システムを構築し、試行しました。この実践報告として、「COVID-19軽症者等宿泊療養施設療養者を対象とした遠隔看護相談システムの構築」が災害看護学会誌25巻3号(2024年5月)に掲載されました。
災害発生時緊急的に遠隔看護相談システムを構築する場合に有用な知見に資することを目的としてまとめています。
公衆衛生看護の思考を深める対話法ワークショップ(2023.12.8 @山口大学)報告
大学間連携による地域看護学教育ファカルティディベロップメント戦略会議(通称:地域看護学教育FD会議)を山口大学で開催しました。この会議は、国内の看護系大学で地域看護学教育に携わる教員有志により約20年継続しているもので、教育に関わる最新の動向や互いの教育研究実践の共有を図り、メンバーの自己研鑽と大学における地域/公衆衛生看護学教育の向上を目指しています。今回は山口大学で開催することとなり、本ワークショップをプログラムの一部として開催しました。7大学12名の教員が参加しました。

今回は、「保健所実習最終日のカンファレンスで学生が発表した内容に対し、指導保健師が戸惑う状況」に同席した教員という設定で、ワークを行いました。活発な意見交換の後、研究メンバーの沖林先生による「メタ認知と対話」というテーマのミニレクチャーを受講しました。沖林先生からはメタ認知や対話、問いに関わる理論やモデルを紹介いただきました。対話とメタ認知に関して、「フレーム問題」「課題の定義」「バイアス」という考慮すべき視点について提示していただきました。
参加者とは会終了後、山口の美味をご一緒しました。ここでも、教育あるあるについて議論が弾みました。
日本地域看護学会第25回学術集会ワークショップ(2023.9.2)報告
ワークショップはハイブリッドで開催し、会場参加33人(大学教員29、保健師など4)、オンライン参加19人、計52人でした。

「実習指導において思考を深める問いとはどのようなものか」というテーマで、公衆衛生看護の思考を深める対話法について検討しました。実習指導で教員がよく経験する、学生の反応に少し戸惑いを覚える場面をとりあげ、グループに分かれて、そのような時学生にどのような言葉をかけるか? なぜそのような言葉をかけようと思うのか?を話し合いました。

グループワークの全体共有の後、「メタ認知と対話学習」について情報提供しました。実習や演習では、保健師が実践の対象とする「地域」「事例」を取り扱います。「地域」「事例」は無数の変数を含んでおりただ一つの正解というものは存在しません。それを教材にした時学生とどのような対話をしているか、振り返る機会となることを意図しました。

 
グループワークでは、経験豊かな教員や保健師から様々な関わりや考えが報告され、共有されました。「学生への自分のかかわりを振り返る機会になった」「新米教員にとってこのような機会が大変貴重であった」「実習や演習指導の各場面の教育意図を明確化しておく重要性に気づいた」「質問が学生を委縮させる可能性に気づいた」「大変有用な機会であったが、メタ認知の方法を深めるにはもう少し段階的議論が必要ではないか」など、このような形態のワークに対する貴重な意見を多くいただきました。

このワークショップは学術集会終了後一定期間オンデマンド配信されました。オンデマンド視聴者から大変有用な内容であったというコメントも寄せられました。
これまでの研究成果:
・ 牛尾裕子・佐藤紀子・田村須賀子編集(2019).ワークブック地域/公衆衛生看護活動事例演習.クオリティケア.
 https://quality-care.jp/book-corner/193-20190207chikikoisyueisei.html
・ 映像教材 養父市保健師のこころみ-保健師が実現する介護予防の新しいかたち-
 https://youtu.be/ZUm3VWktxPc
他共同研究テーマ:
・ 孤立・孤独予防に資する近隣社会環境の多様性の可視化による戦略的プレイスメイキング(研究代表者内平隆之)
 社会技術研究開発センター2023年度採択
 https://www.jst.go.jp/ristex/koritsu/projects/14.html
・ 認知症を有する人を中心としたケアリング・コミュニティの協働デザインのモデル作成(研究代表者 石丸美奈 千葉大学)
 文部科学省科学研究費基盤B(2021年度~2024年度)
 https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-23K21560/
・ COVID-19感染者の対応で保健所保健師が経験した困難・葛藤/新型コロナウィルス感染症軽症者の相談支援ニーズ
 研究メンバー
 牛尾裕子(山口大学医学系研究科)、宮本純子(広島国際大学)、水川真理子(神戸市看護大学)、
 藤田さやか(姫路大学看護学部)、髙田大樹(兵庫県立加古川医療センター)、松尾香織(武庫川女子大学看護学部)

斎藤 研究プロジェクト
研究テーマ 公衆衛生看護(保健師)業務において個別課題から地域課題へ展開するOJTモデルの開発
文部科学省科学研究費 基盤研究(C)(課題番号24K14113)研究代表者
目的 保健師に求められつつも日常業務の中での実践に困難をきたしている、個別の健康問題から解決すべき地域の健康課題へ思考を展開する実践技術を、保健師が日常業務の中で高めあうことができるOJTモデルを開発する。
概要 2020~2024年度の研究で開発する「1歳6か月児健診後カンファレンスにおける地域の健康課題発見型カンファレンスモデル(基盤C 20K11044)」をその他の保健活動場面にも適用し、「個別課題から地域課題へ展開するOJTモデル」に発展させる研究です。
研究期間 2024年度~2027年度

関連リンク:
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K11044
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-24K14113
最新トピック
2024年2月3日 自然災害研究協議会中国地区部会 研究発表
自然災害研究協議会中国地区部会(山口大学地域レジリエンス研究センター防災・減災グループ、山口大学グローカル環境・防災学研修会共催)で、斎藤研究室から学生と教員が研究発表をしました。

1.水害発生時における住民同士の呼びかけの意思と近隣交流の実態調査(斎藤,2022年度ゼミ生)
2.平時におけるA大学の看護学生の自然災害に対する防災意識と防災行動についての関連(2023年度ゼミ生,斎藤)

工学系研究会での初めてのオンラインでの発表で、やや緊張しましたが、他分野からの違う視点でのご意見も頂き、大変勉強になりました。研究論文集第10号に掲載されました。
URL: https://www.ndrc-chugoku.org/proceedings/ronbun10.html
他共同研究テーマ:
・ 認知症を有する人を中心としたケアリング・コミュニティの協働デザインのモデル作成(研究代表者 石丸美奈 千葉大学)
・ 「正解のない問題」に取り組むメタ認知に着目し公衆衛生看護の思考を深める対話法(研究代表者 牛尾裕子 山口大学)
・ 周産期うつ病スクリーニング検査のための自律神経活動評価に関する研究(研究代表者 伊東美佐江 山口大学)

緒方 研究プロジェクト
研究テーマ 子どもネグレクトハイリスク家庭への支援に関する研究
目的 子どもネグレクトハイリスク家庭へのケアモデルの開発の一環として、支援方針の意思決定場面で活用できる評価ツールの開発により、支援方針の適正化や改善につなげることを目指す。
趣旨 児童虐待の相談対応の9割は保護者からの分離はなく、在宅における見守り対象となっています。虐待全体のうち40%以上を占めるネグレクトは、他の虐待に比べ生命の危険性も低く見積もられる傾向にあります。子どもネグレクト家庭の背景にあるリスクの多様性や重複により、個別性の高い支援が求められますが、保健師は長期化する支援において困難さを抱え、海外では、支援者によって判断が異なることやケース以外の要因による影響が課題とされています。現在は子どもネグレクト家庭の支援に携わる支援者側に着目した評価ツールの開発に取り組んでいます。
基盤研究(若手研究)19K19762ネグレクトのハイリスク家族支援における「保健師が介入するタイミング」に関する研究 (2019~2022年度)
基盤研究(C)23K10258 ネグレクトの支援方針の意思決定における支援者特性アセスメントツールの開発と検証 (2023年度~)
研究期間 2019年~
関連リンク https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-19K19762/
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-23K10258/

最新トピック
2024年9月 論文が掲載されました 
論文「保健師による子どもネグレクト支援の決断のための個人・組織準備性評価尺度の開発」が日本看護科学学会誌に掲載されました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jans/44/0/44_44078/_article/-char/ja
論文「保健師による子どもネグレクト支援の決断のための個人・組織準備性評価尺度の開発」が日本看護科学学会にアクセプトされました。第44巻に掲載予定です。

研究テーマ 新任期保健師の職場内教育に関する研究
目的 新任期の実践能力向上に向けて、日常業務における職場内教育を具体化する
趣旨 日常業務における意識的な職場内の関わりが新任期保健師の実践能力向上に効果があることが指摘されていますが、具体化されていない現状にありました。そこで日常的にどのような関わりが行われているか明らかにするために、市町村のプリセプターと新任期の双方にインタビューを行い、新任期の実践能力向上に向けたプリセプターによる日常的な関わり、学びにつながった新任期の主体的な行動が明らかとなりました。今後は特定の保健師活動場面に焦点化し、より具体化することや、実践場面において評価を行うなど取り組んでいきたいと考えております。
研究期間 2016-2018

他共同研究テーマ:
・ 認知症を有する人を中心としたケアリング・コミュニティの協働デザインのモデル作成(研究代表者 石丸美奈 千葉大学)
・ 「正解のない問題」に取り組むメタ認知に着目し公衆衛生看護の思考を深める対話法(研究代表者 牛尾裕子 山口大学)

村上 研究プロジェクト
研究テーマ COVID-19流行という危機的状況における新人保健師の経験と成長に関する研究
目的 COVID-19流行下の新人保健師の成長につながった経験を明らかにし、これからの時代の保健師人材育成に役立つ資料を得ることを目指す。
趣旨 COVID-19第1波の流行の際に、保健所応援に従事しました。まだ体制整備が進まない中、入職して間もないとは思えないほど、新人保健師は現場の即戦力として頼もしく働いていました。この経験が研究の動機になります。COVID-19流行下で系統立てた指導体制で新人教育を受けることは困難であったと推測されます。しかし、危機的な状況に迫られ、自立して役割を果たさなければいけない経験をしたからこそ、成長できたことがあると考えました。管理職保健師と新人保健師へインタビューを行い、COVID-19流行下でどのような成長をしたのか、成長につながった経験は何かを明らかにしていきたいと思います。
研究期間 2021年~

最新トピック
2024年5月 論文が掲載されました!
タイトル:管理職保健師が捉えるCOVID-19流行下で保健所に入職した新人保健師の成長とその背景
-管理職保健師へのインタビュー調査から-
村上祐里香,牛尾裕子(山口大学大学院医学系研究科保健学専攻 地域・老年看護学講座)
山口医学 73(2) 57-68
2023年9月 日本地域看護学会第26回学術集会(神奈川県)で発表しました!
優秀演題賞の候補となりました。
演題名: COVID-19流行下で入職した新人保健師が自覚していた成長
村上祐里香 1), 牛尾裕子 1)
1) 山口大学大学院医学系研究科
2022年8月 日本地域看護学会第25回学術集会(富山県:オンデマンド)で発表しました!
演題名:管理職保健師が捉えるCOVID-19流行下の保健所に入職した新人保健師の成長
 村上祐里香 1), 牛尾裕子 2)
1)山口大学大学院医学系研究科保健学専攻、2)山口大学大学院医学系研究科
他共同研究テーマ:
・ 認知症を有する人を中心としたケアリング・コミュニティの協働デザインのモデル作成(研究代表者 石丸美奈 千葉大学)
・ 「正解のない問題」に取り組むメタ認知に着目し公衆衛生看護の思考を深める対話法(研究代表者 牛尾裕子 山口大学)
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